2010/8/31    風の谷の家族

土と太陽と風と


チェキラ!チェキラ!

―――友達からいじめられている。無視されてとてもつらい。学校に行くのがいやでたまらない。
 愛娘から枕元にこんな手紙を忍ばせられたら、一体どうするのだろう。


ピュア・ブロンド プレミアムラガー
 娘の父親は昔、小さな役場に勤めていた。村での政治停滞に不満を持った若い人に担がれて仕事を辞めて村長選挙に出馬した。結果は僅差で敗れてしまうのだが、ある意味人口約二千人の小さな村の選挙の結果はむしろその後にしこりを残す事になる。それまでの仲間も翌日からそっぽを向いてしまう。何故ならそうしないと生きていけないからだ。失職した父親は、県中に仕事を探して駆け回ったが、何度となく妨害が入り定職に就けないでいた。一度は会社に就職できはしたが、政敵スポンサーのゼネコンからの圧力がかけられ、結局ダメになってしまう。

―――二男一女の父が2年間、無職。
 自ら放棄した無職ではない。運命という波にあおられ、人から裏切られ無職なのだ。
 父親は自殺を考えたこともあった。
 だが拾う神の力が作用したのか、スポーツインストラクターとして再出発する事が出来た。
 そして父は愛する子供達に、あくまでもスポーツは技術よりもマナーであると教え伝えていく。「技術的に登り詰めたプロの世界では、最終的には人格勝負になる。人間的に幅を持ったスポーツマンになること。」
あくまでも勉強一番、スポーツ二番であった。読書を推奨し映画や音楽を鑑賞させて感性を磨かせた。



ドスエキス ラガー
 その中で一番末の愛娘が頭角を現していく。彼女は小学、中学とバスケに熱中した。だが駅伝大会や運動会や文化祭があっても、その都度精一杯力を注ぐ。
ある時、バスケ部の練習の後に駅伝の練習をし帰宅するのは19時過ぎ。それから車で30分程離れた練習場に行き、23時まで練習をする。かといって家での家庭学習帳を見ると毎日、予習、復習をしている。そして翌朝にはバスケ部の朝練に出ている。それでいて授業中に寝てしまうことなくニコニコと元氣。

 朝練をしたいと言い出したのは彼女から。毎朝7時の朝練には必ず参加し、一人で黙々とシュート練習していた時もあった。
バスケでも勉強でも同じ、その場、その場に対して手を抜かず、真剣で全力投球する。それが彼女であったそうだ。
 そんな彼女は南の村から北の高校へ特待生として入学出来る事になる。
―――父の言葉。
 きっと故郷が恋しくなる事があるだろう。上級生、下級生、きっと理不尽な事もあるだろう。特待生だからと言ってイヤな思いをする事もあるだろう。でも、それも含めて全て人生だ。確り3年間、頑張っておいで。

 海からの潮を含む強く重い風、
 固い赤土
 強い烈風にも負けないサトウキビ

 彼女が小学生のときだった。
 「友達からいじめられている。無視されてとてもつらい。学校に行くのがいやでたまらない。」
 父の枕元にこんな手紙を忍ばせたのは。

 父は親として一生懸命、対処することが大事だと徹夜で返事を書く。
 「お父さんから見ればあなたは心の温かい優しい子。そのままのあなたを受け入れてくれる子はいくらでもいる。」
 そして母はこうアドバイスする。
 「あなたが心を開けば相手も変わっていく。いつまでも言い返してたら平行線だよ。」
 その後・・・彼女は学校のスピーチ大会でイジメの体験を発表する。辛い経験だったかもしれないけれど、それを語る事でイジメと正面から向き合い悩みを克服しようと両親と相談した結果だ。



カステッロ プレミアム
 ♪スマイル♪
 スマイル 心の痛みは消えそうにないけれど
 スマイル 胸は今にも張り裂けそうだけど

 空は雲で覆われてたっていつか晴れるときもあるよね
 スマイル だから今は何も考えず恐れや悲しみを胸に
 スマイル そしたらきっと明日には
 君のために太陽だって輝き始めるから
 喜びには顔を輝かせて
 悲しみはそっとしまって
 涙は今にもこぼれ落ちそうだけどあきらめないで
 スマイル 嘆く代わりに
 そしたらきっと 生きるって素敵なことだって思えてくるよ
 だから スマイル


 愛は藍より出でて藍より青し

 これからも続く宮里 藍の物語


 「お待たせ致しました。」

 「いらっしゃいませ。」